ちょっとだけランデヴー

  

「美奈子、マーズを待っていたのか?」
「セーラームーンたちが、マーズも来るんじゃないかって、騒いでいたじゃない?」
 車に乗り込んだ美奈子は、アルテミスの問いに、ニヤッと微笑んだ。
「素直じゃないな、君も。サイン会の間、ずっとマーズの姿を探していたくせに」
「思い出してくれると思ったんだけど、まだみたいね」
「マーズの誕生日に新曲を発表したなんて、彼女は絶対に気が付かないだろうな。回りくどいよ、美奈子も」
「いいのよ。それより見た?マーズの困った顔。CD買うところ、写真に撮っておけばよかったな」
 想いを込めて歌ったから、彼女は手に取ってくれたのだと信じたい。バックミラー越しに、小さくなったその人の姿を、愛しそうに見つめた美奈子は、いつか、全てを思い出したレイを想像して、クスッと笑った。
「誕生日おめでとう、レイちゃん」

 美奈子の誕生日までに、全てを思い出してくれることを信じて。

 それまで、この命が続くことを信じて。

 今はまだ、この距離を楽しみたい。

「まだまだ、私には勝てないわね」

 レイの戦いは、まだまだ続く・・・

 

ちょっとだけランデヴー−−−終

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あとがき

nick

 約10年ぶりにはまってしまい、抜け出せなくなってしまった、恐ろしき「セーラームーン」。
 今年のレイちゃんは、せっかくON AIRの日に誕生日を迎えられたというのに・・・・・
 ということで、一人レイちゃんのために(時に自分の妄想のために)作ったのが、幸運にも、貰い手がいらっしゃって。嬉しい限りです。
 なにせ、自分のために作ったものですから、駄作というより、身勝手な解釈もいいところ。
 文もなんだかおかしいけれど、本当、読んでしまった人、ソーリー。
 そして、感謝です!!本当にありがとうございます。
 美奈レイ、多いようでなかなかお目にかかれませんよね。実写の影響で、この二人の人気がグングンとあがっていくことを、強く願っております。

        

ということで、nickでした。

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